にぎわい探検隊が行く!「北前船の巻」の第二回目は新潟港。
新潟港は「水の都」であり古くから信濃川の河口を利用した湊が発達しており、幕末に開港した五港(横浜、神戸、函館、長崎、新潟)の内、日本海側唯一の港でもありました。
旧新潟税関:現新潟市歴史博物館(みなとぴあ内)
まずは信濃川を渡り「新潟島」(新潟市街地の内、四方を信濃川と関屋分水と日本海に囲まれた区域を「新潟島」と地元では呼んでいます。)に入ります。
上の写真は旧新潟税関(運上所)で、明治2年に建てられ昭和44年には国の重要文化財に指定されています。今は郷土資料館として一般公開されています。
今は「みなとぴあ」(新潟市歴史博物館)として一体で整備された敷地内あり、明治(この旧新潟税関)、大正(新築の博物館本館は2代目市役所庁舎の外観をモチーフに再建)、昭和初期(旧第四銀行住吉町支店を移設)の各時代の建造物が一度に見学できるようになっています。
また近くには復元された早川堀もあり、水の都の雰囲気を忍ばせています。
そしてお目当ての「新潟湊稲荷神社」へ。ここには手で回すことができる「願懸(がんかけ)の高麗犬(こまいぬ)」があります。その由来を見ると、その昔、遊女が自分の客である船乗りを旅立たせたくないため、この高麗犬を西に向けて動かし西風が吹くよう願掛けをした(西風は河口が時化て出帆できなくなる→客は旅立てずまた遊女の元に戻ってくる)という、船乗りにとってはありがたくないような話でした。(遊女たちは、ほかにも様々なことをお願いしたそうです)
もともとこの稲荷神社は海上安全を祈願したそうなのですが、時化を願ったり、海上安全を願ったりと、どっちがメインなのかよくわからないですね。
ちなみに、向かって右側は男性が(阿吽の阿の方)、左側(吽、写真の高麗犬です。口を閉じています)は女性が回して祈願するそうです。
現在の高麗犬は三代目で(平成七年に寄贈)、二代目は拝殿にケースに入れられ安置してありますが、初代は願いがかなわず怒った人にお堀に投げ込まれて結局見つからず、今はお堀も埋められ土の中にあるそうです。(かわいそうに・・・)
稲荷の入り口に桜の木があり、満開の時はなかなか綺麗なようです。(お参りのおばちゃんに教えてもらいました)今度は桜の咲く頃に来たいと思います。
回る「願懸の高麗犬」(女性用の方です)
「願懸の高麗犬」の由来
新潟湊稲荷神社(新潟市稲荷町)
お稲荷さん(笑っているようでチョット怖い)
次は、住吉神社。ここは昔、日和山だったそうで方角石が置いてあります。ここは結構町中で海からは遠いのですが、小高くなっていて海は何とか見えました。実は明治十三年にもっと海のそばに日和山を設けたのですが海岸浸食で無くなり、今はその場所に展望台(日和山展望台:写真)が建っています。
新潟市四ツ屋町の住吉神社
(右下隅に方角石)
1680年(延宝8年)の河口部(湊)の形
方角石
日和山展望台
まだ、新潟市内には見所がたくさんあるのですが、今回はここまでとします。続きはまたの機会に。
「新潟湊之真景」
新潟市内、その他の北前船の史跡
- 白山神社:50艘以上も描かれた「大船絵馬」(3.6m×1.8m)がある。
- 新潟県立自然科学館:正確に復元された北前船の模型(1/3スケール)あり。
海岸沿いの松林の中に「カラスの墓」を発見。(カラスのご冥福をお祈りします)
<全文>
カラスの墓
親分のなわばり争いから
空中戦あり 急降下し遂に
戦死 ここに霊を慰めんと
平成12年6月24日
下町忠蔵町自治会
2005.6.1 (by 隊長)