HOME > 日本海を知る > 北前船 > 其の弐拾参 三国港
みくに龍翔館、G.A.エッセルのデザインです。
手前の木は桜です。春はきれいなんでしょうね。(行ったのは冬でした)
今回は三国港、平成18年度3月20日に三国町、丸岡町、春江町、坂井町が合併し誕生した「坂井市」からです。今回は電車で行きました。福井駅から「えちぜん鉄道」に乗車、一路「三国駅」まで。約45分各駅停車の電車の旅でした。なお、えちぜん鉄道の車掌さん「アテンダント」という若い女性です。45分はあっという間でした。
えちぜん鉄道
アテンダントさん
三国駅からはレンタサイクル(三国駅で貸してくれます)で移動です。まずは、「みくに龍翔館」へ。坂の上なので自転車ではかなりきつく、途中からは自転車を押して登りました。(帰りはコワイくらいラクチンでした)
「みくに龍翔館」は、トリックアート画家M.C.エッシャーの父、オランダ人土木技師のA.G.エッセルのデザインした龍翔小学校(明治12〜大正13)の外観を復元したものです。西欧風の白亜5層8角という、ホントに小学校だったの?という異彩なデザインです。北前船の交易でかなり潤っていたようで、三国はそんな豪華な建物がたくさん残っています。
千石積のベザイ船「三国丸」
昔の町並みの模型
龍翔館のなかには「三国湊のにぎわい」として北前船の模型や、昔の湊の町並み模型や写真が展示してあります。他にも三国の自然・歴史・文化、そして最上階には全国から公募したトリックアートコンペの作品が展示してありました。昆虫の標本の絵だと思ったら日用品だったり(テントウムシがよく見るとスバル360になっている、などなど)と様々な平面・立体のトリックアートがありました。(写真は撮れないのでなしです)ここばかり見ていられないので次へ。
かつて日和山として利用されていた金鳳寺へ。ここは町中ですが少し高台となっています。
龍翔館から見た三国の町並み
真ん中の松の木あたりが日和山です
日和山の碑
金鳳寺入り口の鐘突堂
正面
まわりに乗っている石像が個性的です
(ちょっとコワイ感じがします)
この金鳳寺だけでなく三国の町中でよく見かける緑っぽい石は「笏谷石(しゃくだにいし)」で福井市の南東の足羽山(あわすやま)付近が産地で北前船でも全国に運ばれました。しかし中国産の石の進出により2000年に採掘は途絶えたそうです。もったいない話です。
次は旧森田銀行です。廻船業を営んでいた森田家は北前船の衰退を察知し、明治27年(1894年)に森田銀行を創業しました。この建物は本店として大正9年(1920年)に建てられたものです。外見だけでなく内装も非常に凝った作りで、豪華な漆喰模様の柱や彫刻・彫金、細部のデザインのこだわりに当時の湊町三国の繁栄を見ることが出来ます。
旧森田銀行本店
銀行のカウンターが残っています
カウンターの板は1枚ものを
二つ組み合わせています
大理石の柱でなく、漆喰の模様です
漆喰の模様です。
木片をはめ込み模様を作っています
次は旧岸名家へ。木材商を営んでいた新保屋岸名惣助が代々住んでいた家です。材木を運んだ時についた柱の傷も残っています。
水琴もありました。ゴミや砂が溜まると鳴らなくなるので、掃除ができるよう工夫したそうです。
芦名家正面、当時は裏がすぐ湊でした
この通路に材木を通したそうです
当主は俳句を楽しんだようです
水琴、水を流すといい音がします
三国港といえば「エッセル堤」です。自転車でいくとちょうど良い距離でした。これも龍翔館と同じオランダ人技師エッセルが基本設計したものだとか。冬なので海岸には多くのゴミが流れ着いていました。近くには「みくに温泉ゆあぽーと」があります。時間があれば冷え切った体を休めたかったです。
エッセル堤
日本海の荒波が押し寄せています
みくに温泉ゆあぽーと
三国で気になったのは看板でした。立体の看板(彫刻が多い)や、文字一つ一つを彫り込んだものまであります。看板展覧会でもやってみてはいかがでしょうか?
ひと文字づつ木彫りです
こんな複雑なものも木彫りです
また、美味しいもたくさんあります。越前カニ・甘エビなどの海産物はもとより、酒まんじゅうも美味しくいただきました。
やっぱり、ゆっくり温泉に入りたかった・・・。後悔しきりの隊長でした。
か○道楽の看板ではではありません
三国名物 酒まんじゅう
ジェラードは暖かいところで食べましょう