HOME > 日本海を知る > 北前船 > 其の弐拾九 福浦港
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日本最古の木造灯台 福浦灯台
今回は能登の良港、福浦港(ふくらこう)です。平成17年9月1日に志賀町と富来町(とぎまち)が合併して(新)志賀町になり、福浦港は旧富来町だったところにあります。
福浦港の歴史は古く、かつては渤海(698-926、中国の日本海側にあった国)の使節団が来着する寄港地として定められていました。日本海に突き出した能登半島は大陸からも来やすかったのでしょう。金比羅神社前には「渤海使節来航之泊」の碑もあります。
そして北前船の寄港地としてもにぎわったこの地には、現存する日本最古の木造灯台が残っています。約390年前の慶長年間にかがり火をたいたのが始まりで、この灯台は明治9年に建てられたものです、高さは約5m、昭和27年に新灯台が出来るまで76年間もがんばっていました。灯台の近くには、そのかがり火の跡もあります。
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福浦灯台へは手前の細い路を通っていきます。
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かがり火の跡
この旧福浦灯台から現役の福浦灯台までは徒歩15分ほどの散策道があり、その途中に「極楽坂」と呼ばれる北前船船乗りなどの無縁墓地があります。遭難だけでなく病気などでなくなり無縁仏としてここに葬られていましたが、平成15年の新聞記事をきっかけに、大阪や竹野町(兵庫県)から仏様の関係者が墓参りに来られたようです。(よかったですね)
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極楽坂、後ろには福浦港
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極楽坂の由来
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死後260年経ち、やっと無縁墓でなくなりました。
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そして、現役の福浦灯台の近くには「腰巻地蔵」があります。
芸者オイチが船頭に恋して、船頭の船が出航できなくなるように、ふと自分の腰巻きを岬の地蔵に巻いたところ海が荒れ、出帆できなくなった船頭は長期逗留することになったといわれています。新潟港にも西に向けて回すと西風が吹いて出帆出来なくなるといわれているお稲荷さんがあり、遊女が船乗りを足止めしたそうです。(その2・新潟港をご覧下さい)女の恋心はお天気まで変えてしまうんですねぇ。(でも、天気を変えられてしまうほど惚れられたら、逆にコワイですよね・・・)
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腰巻地蔵
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腰巻地蔵と福浦灯台(現役)
また、「世界一長いベンチ」や「魚のいない水族館」(どんな水族館かは見にくればわかります)があり、近くには絶景の「能登金剛」もあります。
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世界一長いベンチ
(ギネスブックに載ってます)
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魚のいない水族館
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魚のいない水族館のみなさんです。
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能登半島は北前船の宝庫です。久々の能登ツーリングで楽しみつつ回ってきた隊長でした。
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現役の福浦灯台です。(これはコンクリート製です)能登沖の船の航行を見守っています。